1手メイトは簡単そうですし、実際に簡単なことも多いでしょう。それでも、実戦で1手のチェックメイトを見逃したり、自分からはまり込んだりした経験は誰にでもあります。原因が実力不足であることはまれです。盤の見方に穴があるのです。考えもしなかった後ろへ下がる手、忘れていたポーンのプロモーション、別の駒の陰に隠れた駒などです。
1手メイトのパズルは、シンプルで確かな習慣でその穴を埋めてくれます。数をこなせば、どんな局面でも、ほかのことを考える前に目が自然とチェックを探すようになります。
チェックメイトを確かめる3つの質問
キングがチェックされていて、次の3つの逃れ方がどれもなければ、その手はチェックメイトです。
- キングは動けるか? まわりのマスを全部見ましょう。味方の駒でふさがっているか、こちらの駒が押さえていますか?
- チェックしている駒を取れるか? どの駒でもかまいません。その駒が守られていなければ、キング自身も取れます。
- 合い駒で防げるか? できるのは、離れたクイーン、ルーク、ビショップのチェックだけ。ナイトやポーンのチェックは合い駒で防げません。
3つの質問をすべてクリアすればメイトです。ダブルチェックなら1つ目の質問だけで十分です。2つの攻め駒を1回の駒取りや合い駒で同時に止めることはできないからです。
当てずっぽうではなく、順番に探す
1手メイトをいちばん速く解くコツは、「正解の1手」を探すのをやめ、自分のすべてのチェックを挙げることです。クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、ポーンと駒ごとに確認し、ある駒が動いて別の駒の利きが通るディスカバードチェックも忘れずに。それぞれのチェックを3つの質問にかけます。ほとんどの局面でチェックは数えるほどなので、習慣になれば数秒で終わります。
これは長いパズルにも役立ちます。チェックはチェスでいちばん強制力の強い手で、それを全部挙げることが本格的な読みの第一歩です。
鍛えておきたい死角
1手メイトのパズルは、目が素通りしがちな場所に答えを隠すのが得意です。
- 後ろに下がる手。 目は自然と相手のキングがいる前方に向きます。斜めに下がるクイーンやビショップが、後ろからメイトすることもあります。
- 遠くまで動く手。 盤を端まで滑るルークや、隅から飛んでくるビショップは見落としやすいものです。
- チェックになる駒取り。 駒取りは駒得の判断に思えるので、メイトかもしれないことを忘れがちです。
- プロモーションとアンダープロモーション。 そのマスからチェックできるのがナイトだけ、ということもあります。
- ディスカバードチェックとダブルチェック。 動く駒とチェックする駒が違うので、見落としやすいのです。
- 静かに見えるポーンの手。 身動きの取れないキングの隣で、チェックしながら進むポーンがメイトになることもあります。
よくあるミス
最大のミスは、最初に見えたチェックを指すことです。強烈に見えるチェックに逃げ道が1つ残っていて、目立たない別の手が本当のメイト、ということがあります。2つ目は、相手のキングが隣の守られていない駒を取れるのを忘れること。そして、キングの前のマスばかり見て後ろのマスを確かめないプレイヤーも多いのです。
効果的な練習のしかた
- 指す前に、すべてのチェックを挙げましょう。 自信があってもリストは最後まで。スピードはあとからついてきます。まずは習慣です。
- キングのまわりを見ましょう。 相手のキングのまわりの空きマスを数えます。ゼロなら、安全なチェックはどれもメイトかもしれません。1つか2つなら、そこを押さえるチェックを探しましょう。
- 毎日少しずつ解きましょう。 週1回の長い練習より、毎日数分の1手メイトのほうが盤を見る目が鋭くなります。シュプリンガーも1日の始まりは1手メイトです。
速く正確にメイトを見つける力は、目立たない超能力です。長引くはずだった対局をすぱっと終わらせ、盤上でいちばんシンプルな決め手を見逃さなくなります。










