浮き駒は、チェスでいちばんシンプルなタクティクスです。攻撃されているのに守られていない、または守りが足りない相手の駒のことです。取れば駒得。コンビネーションもサクリファイスも、深い読みもいりません。
では、なぜ専用の練習テーマがあるのでしょう?実戦では、どのレベルでも浮き駒で勝負が決まることがとても多いからです。駒を浮かせたままにする人も、それを見逃す人も、しょっちゅういます。タダの駒を確実に取り、自分の駒は決してタダで渡さない。この両面に強くなることは、レーティングを上げるいちばんの近道の一つです。
「浮いている」とはどういうことか
駒が浮いているとは、取ったときに駒得になる状態のことです。いくつかのケースがあります。
- まったく守られていない。 何にも守られていないので、そのまま取れます。
- 守られているが、守りが足りない。 2つで攻めて守りが1つなら、交換のあとでやはり取れることがあります。
- その駒より価値の低い駒にしか守られていない。 ナイトで相手のルークを取り、ポーンで取り返されても、エクスチェンジ得です。
- 守りが見かけだけ。 守り駒がピンされていたり、ほかのものも守っていたりして、取り返すと大変なことになります。
この最後のケースで、浮き駒はほかのタクティクスとそっと重なります。このテーマのパズルはほとんどが最初の3つで、ごほうびは目の前です。
タダの駒が見落とされる理由
浮き駒を見逃す理由は、とても人間らしいものです。自分の計画に夢中で、直前の一手で何が変わったかを見ていない。10手ずっと守られていた駒が、守り駒が動いたせいで急に浮き、誰も気づかない。端のビショップや隅に残ったルークのように、戦いから遠い駒は忘れられがちです。
駒取りに気づいても、信じられないこともあります。「そんなに簡単なはずがない」は、正解を見送る意外とよくある理由です。
毎手の前の簡単なルーティン
- 相手の直前の一手が何を攻撃し、何を守らなくなったかを見る。
- 自分の駒が攻撃している相手の駒をすべて見渡す。
- 一つずつ攻め駒と守り駒の数を数え、駒の価値も考える。
- 取る前に、取ったあと相手に何ができるか考える。見落としたチェック、フォーク、取り返しはない?
- 最後に頭の中で盤をひっくり返し、自分の駒でも同じことをする。
タダの駒がタダではないとき
浮き駒の中にはエサもあります。飛びつく前に、次のワナを確認しましょう。
- バックランクの危険。 取りにいった駒が守りの持ち場を離れ、自分のキングがメイトされる。
- 取った駒が閉じ込められる。 取った駒が抜け出せなくなる。
- もっと大きな反撃。 相手は損を気にしません。あなたのクイーンを取るか、メイト攻撃を始めるところだからです。
- ディスカバードアタック。 取るために駒を動かすと、もっと価値の高い自分の駒へのラインが開く。
どれにも当てはまらなければ、取りましょう。タダの駒は、本当にタダです。
見る目を鍛えるコツ
- 数手ごとに浮き駒を言葉にする。 自分の駒も相手の駒も確認しましょう。タクティクスは浮き駒から始まります。
- 速く解いて、確かめる。 浮き駒のパズルでは、最初に見えた駒取りが正解のことがよくあります。1分迷うのではなく、数秒で確かめるのが腕の見せどころです。
- 負けた対局で浮き駒を探す。 多くの負けが、浮いた駒1つから始まっていたことに気づくはずです。
シュプリンガーのモットーはシンプル。タダなら、いただこう。ただし取る前に、もう一度だけ確認してね。










