長いメイトのコンビネーションは、パズルのマラソンです。5手、6手、それ以上のメイトは、すべての枝を読んで見つかるものではありません。どの段階でも相手の選択肢が少ないままの、きっちりつながった強制手の連鎖から生まれます。そして、多くの人が読むのをやめるはるか先まで、その連鎖を自信を持ってたどれるかどうかです。
手ごわいパズルですが、チェスでも特に気持ちのいい瞬間を味わえます。守りの陣から引きずり出されたキングが盤じゅう追い回され、ついに逃げるマスがなくなる瞬間です。
そもそも長いメイトが成り立つ理由
5手以上の手順が読み切れるのは、途中で守る側の選択肢がごくわずかなときだけです。だから長いメイトは、ほぼ必ず次のような手でできています。
- チェック。 相手に残るのは、キングの移動、チェックしている駒を取る手、合い駒だけです。
- 駒取りとサクリファイス。 相手は受けるしかなく、断ればもっと失います。
- すぐにメイトする脅し。 相手は決まった受けを強いられます。
途中で一度でもゆっくりした手を指して相手に自由なテンポを与えると、連鎖は切れかねません。長いメイトで最初に問うべきは「最後まで強制手を続けられるか?」です。
キングハント
長いメイトの代表がキングハントです。たいていは相手のキングの近くでのサクリファイスから始まります。駒がキングを守るポーンを取り、キングが取り返すと、キングはむき出しに。そこからはこう進みます。
- チェックでキングを前へ追い立てます。 守り駒から引き離し、こちらの駒のほうへ向かわせます。
- チェックのたびに新しい攻め駒を加えます。 できればテンポを稼ぎながら。
- キングの逃げ場が尽きます。 多くは盤の中央か、こちらの陣地で。そこではこちらのポーンやキングも逃げ道をふさいでくれます。
解くときは、ハントの方向に注目しましょう。チェックがキングを相手の駒のほうへ押し戻しているなら、攻撃は尻すぼみ。こちらの陣地へ引き寄せているなら、終わりは近いはずです。
深い変化で迷子にならないために
長い読みで大事なのは、深さそのものより読み筋の糸を見失わないことです。次の習慣が役に立ちます。
- 強制手を数えましょう。 チェックが5回続き、キングの応手が毎回1つか2つなら、その変化は十分読み切れます。
- 節目で止まりましょう。 2手ほど進むごとに、頭の中で局面を組み直します。どの駒が消えた?どのファイルや対角線が開いた?
- 繰り返すモチーフを探しましょう。 何度も使えるディスカバードチェックや、段に沿ってチェックし続けるルークが、解答の数手分を担うことはよくあります。
- 最後のメイトをていねいに確かめましょう。 長い変化の最後は「これで間違いなくメイト」と言いたくなります。キングに逃げ場がなく、チェックしている駒を取れず、合い駒もできないことを確認しましょう。
連鎖を断ち切るミス
最大のミスは、途中で守る側の手段を見落とすことです。合い駒、切り返しのチェック、こちらの攻め駒を取る手などです。もうひとつは、強制手ではない「きれいな手」を選び、守る側に駒を戻す時間を与えること。3つ目は、パズルがメイトを求めているのに、パーペチュアルチェックや駒得で満足すること。課題がメイトなら、強制的に決まる手順を探し続けましょう。
スタミナをつけるには
- 少しずつ上を目指しましょう。 長いメイトにたっぷり時間を使う前に、3手メイトと4手メイトに慣れておきます。一段ずつ、扱える深さが増えていきます。
- 最初はゆっくり解きましょう。 長いパズルで大事なのは正確さ。パターンに慣れれば、スピードはついてきます。
- 正解を並べ直しましょう。 解いたあとやヒントを使ったあとは、変化全体を並べて、どの手が残りを強制したのかに注目します。
- 習慣にしましょう。 毎日いくつか難しいパズルを解いて連続記録を続ければ、長いコンビネーションに必要な忍耐力が育ちます。
長いメイトは、読みを結末のはっきりした物語に変えてくれます。1手ごとにプレッシャーをかけ続けられるようになれば、安全そのものに見えたキングが、とても心細そうに見えてきます。







