4手メイトになると、前から順に読むだけではかなり重くなります。半手で7手分の変化があり、それぞれにいくつも応手があるので、頭の中だけでは抱えきれません。強い人は考える向きを逆にします。まずメイトの形を探し、それから局面をどうやってそこへ追い込むかを考えるのです。
4手メイトのパズルがいちばん鍛えてくれるのが、この逆算です。あれこれ手を試してさまようのではなく、目的地を決めてから道筋を立てます。
最後の形から始める
メイトのパターンは繰り返し現れます。キングのまわりの駒の並びはほんの数種類で、それが何千もの局面に出てきます。それを見抜けることが、4手先を見通す力になります。よく知っておきたい形です。
- バックランクメイト。 自分のポーンで閉じ込められたキングを、ルークかクイーンがバックランクでメイトします。
- スマザードメイト。 自分の駒に完全に囲まれたキングを、ナイトがメイトします。
- ルークとナイトの連携。 ルークが段かファイルを押さえ、ナイトが残りの逃げ道を奪います。
- 2つのビショップ、またはビショップとクイーンの対角線。 交差する対角線が、隅から出てきたキングを封じます。
- キングの隣で守られたクイーン。 クイーンがキングのすぐ隣に着地し、ほかの駒、多くはポーンかビショップが守ります。
4手メイトのパズルを見たら、相手のキングのまわりにどの形が合うか考えましょう。どのマスがすでに押さえられていますか?最後の一撃はどの駒が放てそうですか?
一歩ずつ逆算する
目標の形が決まったら、手順を逆から組み立てます。
- 最後の形に何が足りない? キングが別のマスにいる必要があるのか、守り駒が消える必要があるのか、自分の駒がもっと近づく必要があるのか。
- どの強制手でそれを解決できる? キングを正しいマスへ追い込むチェック、守り駒をそらすサクリファイス、ラインを開く駒取りなど。
- 今の局面にたどり着くまで繰り返す。 一歩さかのぼるたびに、計画に1手加わります。
有名な例が、クイーンサクリファイスからのスマザードメイトです。最後の形は、g8の自分のルークとg7、h7のポーンに閉じ込められたh8のキングを、f7のナイトがメイトする局面。ルークをg8に来させるには、h6のナイトがg8を守った状態でクイーンをチェックつきでg8に捨てます。キングは取れず、ルークで取るしかありません。そのためにはキングがh8にいて、クイーンにg8への通り道、たいていはa2-g8の対角線が必要です。ナイトがh6にいる状態でキングをh8へ行かせるのは、h6からのダブルチェック。ナイトがチェックすると同時に、対角線上のクイーンの利きも通します。そのダブルチェックの前には、f7でのナイトのチェックがキングをg8へ追いやっています。逆からたどると、手順全体が急に意味を持ちます。ナイトのチェック、ダブルチェック、クイーンサクリファイス、スマザードメイトです。
解く人がはまりやすい罠
- 形にほれ込む。 どんなに美しい形でも、守り駒1つで崩れるなら意味がありません。途中で相手が別の手を選べないか、必ず確かめましょう。
- 逃げ道を見落とす。 長い手順では、キングが予定外の方向へ逃げることがあります。各強制手があらゆる選択肢を押さえているか確認しましょう。
- 早い段階でゆっくりした手を選ぶ。 計画の途中で相手に自由な1手を与えると、守りやこちらへのチェックに使われます。
長いメイトを鍛えるコツ
- 意識してパターンを集めましょう。 パズルを解くたびに、最後のメイトの形に名前をつけます。頭のライブラリーが少しずつ育ちます。
- 計画を前からも確かめましょう。 逆算で組み立てたら、最初から並べ直し、相手の応手を1つずつ正直に試します。
- ヒントは答えではなく、ひと押しとして。 行き詰まったらヒントで出発点を知り、残りの道は自分で見つけましょう。
4手メイトは、パターンの知識が本領を発揮し始めるところです。先に目的地を見られるようになれば、長いコンビネーションは地図を持った旅になります。










