最終段に着いたポーンは、ほぼすべてクイーンになります。アンダープロモーションのパズルは、その例外が主役です。ナイト、ルーク、ビショップだけが勝ちで、クイーンだと勝ちを逃したり、ステイルメイトにさえなったりする局面。実戦ではめったに出ませんが、だからこそ練習する価値があります。いざそのときに、反射的にクイーンを選ばず気づけるようにしましょう。
ルール上、選択は自由です。昇格するポーンは、盤上に何が残っていても、自分の色のクイーン、ルーク、ビショップ、ナイトのどれにでもなれます。パズルで問われるのは、どれが仕事をするか、それだけです。
ナイトを選ぶ理由
ナイトは、同じマスのクイーンが攻撃しないマスを攻撃します。だからタクティクスのアンダープロモーションでは、ナイトがいちばん多いのです。よくある理由はこちら。
- チェック付きのフォーク。 白のポーンがd7、黒のキングがe6、黒のクイーンがb7。d8=N+で、新しいナイトがキングにチェックしながらクイーンも攻撃し、次の手でクイーンが取れます。d8のクイーンでは、チェックにすらなりません。
- その場でメイト。 閉じ込められたキングにチェックできるのがナイトだけ、ということがあります。そのマスのクイーンはキングに利かないからです。
- テンポを稼ぐ。 ナイトのチェックで、相手の脅威を止めるのにちょうど必要な1手を稼げることがあります。
MateMindのクレイのナイト、シュプリンガーは、もちろんこのテーマが大好きです。
ルークやビショップを選ぶ理由
ルークやビショップへの昇格は、ほぼいつもステイルメイト対策です。守る側の手がほとんど残っていないと、新しいクイーンがチェックせずに残りのマスを全部奪い、その場で引き分けになることがあります。ルークは段とファイルには利いても対角線には利かないので、キングに合法手を1つ残しつつ、次の手でメイトの仕事ができます。ビショップへの昇格はいちばん珍しく、クイーンでもルークでもステイルメイトになるのに、ビショップならマスが1つ空いて勝てる、という場面で現れます。
その瞬間を見抜く
正解に昇格が含まれるときは、ひと呼吸おいて2つ問いかけましょう。1つ目、そのマスのクイーンはチェックになるか。ならないなら、ナイトならどうか。2つ目、昇格後も相手に合法手が残っているか。守る側がキングと動けないポーン数個だけなら、ステイルメイトは現実の危険です。
よくある手がかりは、相手のキングとクイーンがどちらも昇格マスからナイトの1跳びの位置にいること、自分の駒に囲まれて隅に追い詰められたキング、そして相手にキングと動けないポーンしか残っていないエンドゲームです。
よくあるミス
- 反射的にクイーンに昇格させる。アンダープロモーションのパズルのほとんどは、まさにこの反射を突くように作られています。
- フォーク狙いでナイトを選んだのに、相手が先にそのナイトを取れることや、もっと大きな脅威で無視できることを見落とす。
- 昇格後のステイルメイト確認を忘れる。自分の脅威だけでなく、守る側の合法手を数えましょう。
実戦のコツ
昇格マスもほかのマスと同じように扱いましょう。そこから各駒はどの相手の駒を攻撃するか。クイーンだけでなく、4つの選択肢を全部思い描きます。クイーンに昇格しても勝ちが見えないパズルなら、別の駒が答えだという強いヒントです。
めったに出ない局面ですが、出たときにこのアイデアを知っていれば、引き分けを勝ちに、勝ちを美しい勝ちに変えられます。






