ミドルゲームのキングは、たいていキングサイドで3つのポーンの陰に収まっています。守りは固そうに見えても、守り駒が1つ欠けたり、ポーンが1つ緩んだり、絶妙なタイミングでサクリファイスが来たりすれば、一気に崩れます。キングサイド攻撃のパズルは、まさにその場面から始まります。こちらの駒はg7とh7(またはg2とh2)を狙っていて、そのプレッシャーを決定打に変えるのが課題です。
うれしいことに、こうした攻撃は繰り返し現れます。h7へのビショップサクリファイス、hファイルへ回り込むルーク、g7を狙うクイーンとナイトのコンビなど、同じ数個のアイデアが何度も出てきます。見抜けるようになれば、すべての変化を読み切る前に決め手が見えてきます。
キャスリングしたキングが弱くなるとき
キャスリングしたキングの安全は、まわりの駒とポーン次第です。守る側にこんな危険信号がないか探しましょう。
- f6(またはf3)にナイトがいない。 このナイトはh7とh5を守る、キングサイド最高の守り駒です。交換されたり追い払われたりしていれば、h7が狙い目になりがちです。
- キングの前のポーンが動いている。 h6やg6に突いたポーンは背後に穴を残し、こちらのポーンで攻めかかる目標にもなります。
- 守り駒が遠い。 相手の駒がクイーンサイドで忙しいなら、キングの近くの攻め駒と守り駒を数えましょう。攻め駒が多ければ、強制手の出番です。
- e5に自分のポーンがいる。 e5のポーンはナイトをf6に来させないか、追い払います。キングサイドのサクリファイスでおなじみの下準備です。
何度も現れるパターン
いちばん有名なのはh7へのビショップサクリファイスです。Bxh7+ Kxh7 Ng5+ でキングは前に引きずり出され、クイーンがh5などの速いルートで加わります。d3のビショップがh7を狙い、ナイトがg5に安全に着地でき、クイーンが1手でhファイルに来られて、f6に守りのナイトがいないときに決まりやすい手筋です。
ほかにもよく出るアイデアがあります。
- ルークリフト。 ルークが前に出てから横へ移り、たとえば Re1-e3-h3 や Rf1-f3-h3 でhファイルの攻撃に加わります。
- g7を狙うクイーンとナイト。 f5やh5のナイトとg7を狙うクイーンがそろうと、とても防ぎにくいメイトの狙いが生まれます。
- g6やh6へのサクリファイス。 ポーンの壁がすでに弱っていれば、駒を捨てて最後の守りをはぎ取り、クイーンとルークを呼び込めます。
- ポーンストーム。 互いに反対側へキャスリングしているなら、gポーンとhポーンを突いてファイルを開け、ルークを使いましょう。
つまずきやすいポイント
いちばん多いミスは、反射的なサクリファイスです。h7のビショップは、続く手があるときだけ有効です。キングがg8に戻ってもナイトのチェックが待っていなかったり、守り駒がh7に間に合ったりすれば、ただ駒を損しただけ。サクリファイスの前に、期待している1手だけでなく、キングのあらゆる動きのあとを確認しましょう。
もうひとつの落とし穴は、のんびりした攻めです。静かな1手目は、守る側に駒を戻したり、こちらのいちばん強い攻め駒を消したりする1手を与えます。こうしたパズルの決め手は、たいていチェック、駒取り、直接の脅しのどれかです。最後に、自分のキングにも目を配りましょう。切り返しのチェックやバックランクメイトを食らえば、1手で結果がひっくり返ります。
もっと速く解くためのコツ
- 具体的な手を探す前に、キングのまわりの攻め駒と守り駒を数えましょう。
- まずはすべての強制手を、チェックから確認しましょう。ばかげて見えるものも含めてです。
- それぞれの駒がどこに行きたいか考えましょう。1手でhファイル、gファイル、g5に来られる駒はどれですか?
- 正しいサクリファイスなら、守る側には悪い選択肢しか残らないのが普通です。楽に持ちこたえる受けが見つかったら、別の1手目を探しましょう。
レーティングに合ったキングサイド攻撃のパズルを解くほど、こうした形が頭のライブラリーにたまっていきます。やがて自分の対局でも、正しいサクリファイスが自然に指せるようになります。










