対局開始の時点で、f7のポーンを守っているのはキングただ1つ。白のf2も同じです。ほかのポーンには近くに助けがあるので、序盤の罠やオープニングのタクティクスの多くがこの1マスを狙います。このテーマでは、キングがまだ中央にいるか、キャスリングした直後のうちに、f7やf2の弱さをとがめます。
いちばん簡単な形には、もう出会っているかもしれません。クイーンとビショップがそろってf7を狙い、数手でQxf7#と決まるあれです。でもこのテーマはずっと奥が深く、経験者でも、より洗練された形にはいまだに引っかかります。
なぜこのマスは弱いのか
fポーンはキングの真横にいて、守りをキングに頼っています。c4のビショップ(黒ならc5)とクイーンやナイトがそこを狙えば、キング1つでは支えきれません。キャスリング後も、fファイルが開いたり、ルークがf8を離れたりすれば、f7は標的のままです。
f7で取る手が特に危険な理由は2つ。チェックを伴うことが多く、攻める側がただでテンポを得られること。そして取り返したキングが、自分の駒より前の無防備なマスに引きずり出されることです。
探したいアイデア
- チェックでのビショップサクリファイス。 Bxf7+ Kxf7でキングを引きずり出します。続いてナイトがg5やe5にチェックで飛び込めれば、ディスカバードアタックを仕掛けたり、駒を取り返したり、クイーンをテンポ付きで侵入させたりできます。
- ナイトでf7を取る。 f7のナイトはd8とh8の両方を攻撃するので、クイーンと隅のルークのフォークになることがあります。
- クイーンとビショップのバッテリー。 h5、f3、b3のクイーンとc4のビショップが組めば、f7を直接脅かします。守る側が見落とせばメイトです。
- fファイルを開ける。 キャスリング後、前進するfポーンの後ろからf1のルークがf7を突き破ります。
- キングをおびき寄せる。 キングを無理やりf7に来させると、クイーンやルークが浮き、ナイトのフォークやディスカバードアタックの餌食になることがあります。
有名なオープニングの変化が、このテーマの威力をよく示しています。1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Nf6 4.Ng5 d5 5.exd5 Nxd5の後、白は6.Nxf7と指せます。ナイトを捨ててKxf7でキングを引きずり出し、Qf3+で追い回すのです。黒は正確に守れば生き残れますが、一手でも誤れば、キングは盤の真ん中で捕まります。
よくあるミス
1つ目は、続きのないサクリファイス。後が続かなければ、Bxf7+はビショップとポーンの交換にすぎません。キングが取り返した後に何を取り戻せるか、正確に数えましょう。2つ目は、守る側の手段の見落とし。g6のポーンはh5-f7の斜線を閉じ、f6のナイトはh5のクイーンをテンポ付きで攻撃します。e7のクイーンも、思った以上によくf7を守っています。3つ目はその裏返しで、自分のf2も同じくらい弱いこと。攻撃を始める前に、相手にそこを突く一手がないか確かめましょう。
実戦のコツ
- オープニングでは、f7やf2で取る手をすべて検討しましょう。一見駒損に見える手もです。
- キングが取り返した後に何が起こるかを見ましょう。ナイトのフォーク、ディスカバードチェック、ルークを拾うクイーンのチェックは?
- f7の守り駒を数えましょう。キングだけで、こちらの攻め駒が2つ並んでいるなら、タクティクスがある可能性大です。
- サクリファイスの後はテンポを稼ぐ手を優先。キングがf7やe6に出てきたら、のんびりした展開ではなく、チェックと脅威で攻め続けましょう。
こうしたパズルをたくさん解けば、キャスリング前のキングの隣のfポーンが、見るたびに盤上で光って見えてきます。











