フックメイトはチームワークのお手本です。白の3つの駒が鎖のようにつながります。ルークがキングのすぐ隣からチェックし、ナイトがそのルークを守り、ポーンがそのナイトを守るのです。3つでキングのまわりのほぼすべてのマスを押さえ、最後の逃げ道は守る側自身の駒がふさいでいます。盤上ではルーク、ナイト、ポーンが折れ曲がった線を描き、釣り針(フック)のように見えます。
駒どうしが守り合いながらスペースも支配するしくみを学べる、とてもいいパターンです。
完成形
標準的な形です。黒のキングはe7、d7に黒のポーン。白のルークがe8からチェックし、d6の白のナイトがルークを、e5の白のポーンがナイトを守っています。
キングのまわりを一周してみましょう。
- e8:ナイトに守られたルーク。キングは取れません。
- d8とf8:8段目なので、ルークが押さえています。
- e6:キングの後ろのeファイル上で、ここもルークが押さえています。
- f7:d6のナイトが押さえています。
- d6:ナイトそのもので、e5のポーンに守られています。
- f6:e5のポーンが押さえています。
- d7:黒自身のポーンでふさがれています。
ほかの駒でルークを取れなければメイトです。ここは要注意。d7にいるのがポーンではなく黒のビショップならe8で取れてしまうので、ふさぐ駒はルークに届かない駒でなければなりません。
フックが完成するまで
このメイトはたいてい、守る側のキングが隅を離れたか一度もキャスリングしなかったときに、ミドルゲームやエンドゲームの入り口で現れます。典型的なサインはこちら。
- 自分のポーンが5段目か6段目まで進み、強いナイトのアウトポストを支えている。
- 自分のナイトがそのアウトポストにいて、相手のキングに近い。
- 自分のルークが、チェックしながらキングの隣のマスへ行ける。
導入は、ルークのチェックでキングをナイトの隣まで歩かせる手や、交換のあとルークがバックランクに入る手がよくあります。ナイトが先にチェックしながらアウトポストに跳び込み、次の手でルークが続くこともあります。
避けたい失敗
攻める側がよく忘れるのは、鎖の輪の1つです。ナイトがポーンに守られていなければキングがナイトを取り、ルークがナイトに守られていなければキングがルークを取ります。輪を1つずつ確認しましょう。
もう一つのミスは、ふさがれたマスを見ないことです。このパターンは、逃げ道の1つが守る側自身の駒で埋まっているときだけ成立します。そこが空いていれば、キングはするりと抜け出します。
守る側は、ナイトを支える進んだポーンを甘く見がちです。アウトポストのナイトはキングのまわりの大事なマスを押さえていて、ルークが加わればメイトは目の前です。早めにナイトを交換するか、支えのポーンを崩しておけば、対局を救えることがあります。
実戦で役立つコツ
- 鎖で考える。 攻めの局面では、どの駒どうしが守り合っているかを考えましょう。キングの近くの守り合う鎖は、姿を変えたメイトの網であることがよくあります。
- キングの近くのアウトポストを大切に。 ポーンに支えられたd6やf6のナイトは怪物で、フックの土台になります。
- キングのマスを声に出して数える。 上の例のように1マスずつ挙げましょう。フックが完成しているかを確かめるいちばん早い方法です。
フックメイトは頻繁に出る決め手ではありません。でも解くたびに、どんな攻めにも必要な力が磨かれます。駒どうしを守り合わせながら、包囲を狭めていく力です。








