多くの局面は、たった1つの守り駒で持ちこたえています。ルークがバックランクを守り、ナイトがメイトのマスを押さえ、クイーンが浮き駒をかばう、といった具合です。ディフレクションは、その守り駒を持ち場から無理やり引きはがすタクティクスです。守り駒がいなくなれば、守られていたものが標的になります。
引きはがす手は、たいていサクリファイス、チェック、または守り駒が対応するしかない駒取りです。どう応じても、その駒はもう元の仕事ができません。
ディフレクションのしくみ
ディフレクションは2段階です。まず、何がどの駒に守られているかを見きわめます。次に、その守り駒を引きはがす手を探します。取るしかない駒を差し出すか、その駒にしか守れないもっと大事なものを攻めるのが典型です。
すっきりしたエンドゲームの例です。白はb7にポーン、cファイルにルークがあり、黒のルークはb8でポーンを止めています。黒のキングは遠くにいます。白はRc8。黒がRxc8と取れば、bxc8=Qと取り返します。黒のルークがb8を離れれば、ポーンはそのままb8で昇格します。ポーンを止めることと攻撃に対応すること、ルーク1つで両方はこなせません。こうして局面は崩れます。
ディフレクションを見抜く質問
勝ちが近いのに何かが邪魔をしていると感じたら、このチェックリストを使いましょう。
- 相手の駒が1つ消えたら、何を指す? 答えがメイトや大きな駒得なら、その駒がディフレクションの標的です。
- その駒はほかに何を受け持っている? 2つのものを同時に守る駒は過重負担で、いちばん引きはがしやすい駒です。
- どの手なら、その駒に反応を強制できる? 合い駒するしかないチェック、取るしかない駒取り、断ると損をする差し出しを探します。
- 引きはがした駒は間に合う? 手数を数えます。テンポを得ながら戻れるなら、そのアイデアは成立しないかもしれません。
よくある失敗
いちばん多いのは、控えのいる駒を引きはがすことです。別の駒も同じマスを守っていれば、1つ消しても何も変わりません。ポーンやキングも含めて、標的の守り駒をすべて数えましょう。
2つ目は、強制力の足りない手を選ぶことです。相手はサクリファイスを受ける必要はありません。断っても安全なら、守り駒は動かず、あなたは駒損しただけです。すぐれたディフレクションには、楽な断り方がありません。たいていチェックを伴うか、もっと大きなものを狙っているからです。
最後に、中間手に注意しましょう。引きはがしたあと、相手のチェックで時間を稼がれ、傷をふさがれることがあります。
もっと早く見つけるコツ
- バックランクを見る。 1段目や8段目をルークかクイーン1つで守っている形は、もっともよくあるディフレクションの標的です。
- メイトのマスを守る駒に気づく。 クイーンでメイトできるマスの守りが1つだけなら、その守りをどう引きはがすか考えましょう。
- ほかのモチーフと組み合わせる。 ディフレクションは、フォーク、バックランクメイト、プロモーションの下準備になることがよくあります。アイデアのすべてではなく、コンビネーションの一手目と考えましょう。
ディフレクションを練習すると、攻撃できるものだけを見るのではなく、働きすぎの相手の駒を探す習慣が身につきます。この問い一つで、驚くほど多くのパズルが解けるようになります。










