ピンとは、ビショップ、ルーク、クイーンが相手の駒を攻撃し、その駒が動くと後ろのもっと価値の高いものがさらされてしまう状態です。前の駒は身動きが取れません。盤上には残っていても、本来の仕事ができなくなっています。駒得やメイトには、それだけで十分なことがよくあります。
ピンはフォークより静かな手筋です。その場で何かを得ることはまれ。その代わりに弱点を作り、局面が崩れるまで何度でもそこを攻められます。
2種類のピン
絶対ピンは、キングに対するピンです。ピンされた駒はルール上そのラインから動けません。動けば自分のキングがチェックされるからです。b5の白のビショップがc6の黒のナイトをe8のキングにピンする形が典型例。d7が空いている限り、そのナイトはまったく動けません。
相対ピンは、キング以外、たいていクイーンやルークに対するピンです。g5のビショップがf6のナイトを攻撃し、後ろのd8にクイーンがいる形が代表例。ナイトはルール上は動けますが、動けばクイーンを差し出すことになります。相対ピンは反撃で外されることもあるので、少し多めに読む必要があります。
パズルでピンを見抜くには
ラインを探しましょう。自分のビショップ、ルーク、クイーンから、最初にぶつかる相手の駒を貫く見えない光線を引き、その後ろに何があるかを見ます。役立つ手がかりです。
- 相手のキングとクイーンが、同じファイル、段、対角線上にいる。
- 大事なものを守っている駒が、もっと価値の高い駒の前に立っている。
- 相手の駒がピンされて1回攻撃されていて、そこに2つ目の攻め駒、多くはポーンを足せる。
- ピンされた駒があるマスを守っているように見えるが、実際には動けないのでその守りは使えない。
最後の手がかりはパズルの大定番です。マスを守っているように見えるピンされたナイトは幻で、それを信じた側をとがめる手が正解になりがちです。
ピンを一歩ずつ生かす
ピンしたら、作戦はシンプルです。守れる数より多くの駒で、できれば安い駒で攻撃しましょう。ピンされた駒に向かって進むポーンは特に強烈です。駒は逃げられないからです。ピンされた駒の守り駒を攻撃したり、その駒が固まっているあいだに、本来その駒が守っている場所を突いたりするのも強力です。
ただし、ピンされた駒でもチェックはかけられ、相手のキングに対するマスの利きも残っています。自分のキングにピンされたナイトでも、その利きのマスにこちらのキングは入れません。
避けたいミス
- 相対ピンを過大評価する。 相手はチェックやこちらのクイーンへの攻撃など、もっと大きな脅しでピンを外してくるかもしれません。
- 続く手のないピン。 ピンされた駒を攻める手がなければ、ピンはただの嫌がらせです。自分の2手目は何か考えましょう。
- 自分からピンされにいく。 キャスリングやクイーンを動かす前に、開いたライン上で自分の駒が価値の高い駒の前に立たないか確認しましょう。
実戦で役立つコツ
- 同じライン上のキングとクイーンを探しましょう。 数秒でできて、驚くほど多くのタクティクスが見つかります。
- 攻め駒は交換せずに増やしましょう。 ピンが続くあいだは早く取りすぎず、固まった駒にプレッシャーをかけ続けます。
- 痛い目を見る前にピンを外しましょう。 ピンされている側なら、1手早くキングかクイーンをラインから外すだけで、対局全体が救われることがよくあります。
シュプリンガーからもうひとつアドバイス。自分のキングの前のナイトこそ、いちばんよくピンされる駒です。その形をひと目で見抜けるようになりましょう。








