どの局面にも、全体を支える柱のような駒があります。1つ取り除けば、ポーン、駒、ときにはキングそのものまで、大事な何かが崩れ落ちます。守り駒の除去とは、まさにそれ。相手のどの駒が重要なマスや駒を守っているかを見抜き、取る、交換する、または追い払う。守りがいなくなれば、標的はあなたのものです。
覚えておくとかなり頼りになるタクティクスです。どんな局面でも使えるシンプルな問いから始まるからです。「この駒は何を守っている?」
ひとことで言うと
標的を守る駒が1つだけなら、その守り駒を消せば、標的はただで取れます。
それだけです。守り駒を取る手は、それだけ見ると損な交換に見えることがよくあります。ビショップをナイトと、ときにはルークをマイナーピースと交換することも。ポイントは、その次の手で何が起こるかです。
簡単な例
黒がキングサイドにキャスリングし、キングがg8、ポーンがg7とh7にいる場面を想像してください。キングを除けば、h7を守っているのはf6の黒のナイトだけ。白はd3のクイーンの後ろにb1のビショップが控え、2つともb1-h7の斜線上に並んでいます。さらにg5のもう1つのビショップがナイトをにらんでいます。
白はBxf6。黒がどう取り返しても、h7を守っていたナイトはもういません。続くQxh7+でキングの囲いに突入。b1のビショップがクイーンを支えているので、キングは取れません。ほかの駒の配置しだいで、メイトか決定的な攻撃です。白はビショップとナイトを交換しただけで、数字の上では互角。でもその交換で、本当に大事だった唯一の駒を取り除いたのです。
同じ考え方はどこでも通用します。バックランクを守るルーク、浮いたクイーンを守るナイト、逃げ場を押さえるビショップ。どれも除去の候補です。
守り駒の見つけ方
タクティクスがありそうなのにまだ見えないときは、このチェックリストをたどりましょう。
- 標的を見つける。 取りたい相手の駒や、チェックやメイトをかけたいマスを探します。
- 守りを数える。 標的ごとに、何が守っているかを挙げます。1回しか守られていないものが有望です。
- 守り駒への手を考える。 取れるか、交換できるか、ポーンで攻撃できるか、チェックで動かせるか。
- その後を確認する。 守り駒がいなくなった後、本当に標的を取れるか、取った駒は安全かを確かめます。
うまくいかないとき
守り駒の除去が失敗するパターンは、だいたい決まっています。
- 2つ目の守り駒が隠れていた。 1つ取ったのに、盤の反対側のクイーンやルークがまだ標的を守っている。筋が開いて初めて守りに加わる駒も含めて、数え直しましょう。
- 取り返しがテンポ付き。 相手がチェックや脅威付きで取り返してきて、獲物を回収する時間がない。
- 標的が逃げる。 こちらの取る手に強制力がなければ、相手は取り返さずに、狙われた駒を逃がすだけかもしれません。
- 代償が大きすぎた。 ナイトを消すためにルークを差し出すなら、その後に得るものが失った分を上回っていなければなりません。
パターンを定着させるコツ
- 相手が駒を新しいマスに動かすたびに、「この駒は何を守っている?」と考える習慣をつけましょう。
- キングを守る駒には特に注意。盤上でいちばん負担過多になりやすい駒です。
- 駒の損得で互角に見える交換は、もう1手先まで見ましょう。本当の問いは、守り駒が消えた後の盤がどうなっているかです。
十分に練習すれば、守り駒そのものが標的に見えてきます。それこそ、タクティクスが得意な人の盤の見方です。








